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歯の知識

【歯医者が教える】歯石と口臭の意外な関係!自宅で簡単予防法も紹介

親子3代で安心して通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック本院です。

お口の健康を維持するためには、歯石の除去が不可欠です。歯石は口臭の原因となり、歯周病の進行にも影響を及ぼします。ここでは、歯石と口臭の関係、歯石除去の効果、歯科医院での治療方法と費用、自宅でできる歯石予防のコツなどについて詳しく解説しています。

口腔ケアに関心のある方は、ぜひ一読していただければと思います。

1. 歯石と口臭の意外な関係とは?

日常的にオーラルケアを心掛けているにもかかわらず、口臭に悩んでいる人は少なくありません。その原因の一つとして「歯石」が挙げられることをご存知でしょうか?歯石は通常、歯の表面に蓄積された歯垢が硬化したもので、視覚的には分かりづらいですが、実際には口臭を引き起こす大きな要因となるのです。

歯石が生む口内環境の悪化

歯石は口腔内のバイ菌が繁殖する環境を作り出し、その粗い表面には細菌や老廃物が付着しやすくなります。その結果、口内環境が大きく損なわれ、以下のような問題が引き起こされます。

  • 細菌の増加:歯石に付着した細菌が増殖し、有害な毒素やガスを放出します。これが不快な口臭の原因となるのです。
  • 自浄作用の低下:通常、唾液や歯磨きによって自浄作用が働きますが、歯石が存在することでこの機能が損なわれ、歯垢が蓄積しやすくなります。

意外な症状の裏に潜む歯石

多くの人が見落としがちなのが、歯石が直接的に口臭の原因であるという事実です。通常の歯磨きやうがいだけでは完全に歯石を取り除くことが難しく、そのために慢性的な口臭に悩まされる方が増えているのです。特に、自分では見えない場所に歯石が溜まることで、口臭が長引く要因となることもあります。

2. 歯石が引き起こす口臭の3つのメカニズム

歯石は口腔内の健康にさまざまな影響を及ぼし、その中でも特に気になるのが「口臭」です。歯石が引き起こす口臭には、主に次の3つのメカニズムがあります。

1. 歯石内の細菌が発生させる有害なガス

歯石は、歯垢が唾液からのミネラル分と結びついて形成されたもので、その表面はザラザラとした質感を持っています。このため、細菌や他の汚れが付着しやすくなり、口内に多くの細菌が存在する環境が生まれます。これらの細菌は口臭を引き起こすガスを生成します。これらのガスは、腐った卵のような不快な臭いを放ち、口臭を一層悪化させる大きな要因となります。

2. 歯石による歯茎の出血

歯石が歯の周囲に蓄積すると、刺激によって歯茎が傷み、出血することがあります。歯茎からの出血は生臭さを伴い、他の口内の異臭と相まって口臭をさらに悪化させる要因となります。特に歯周病のリスクが高まることで、出血をともなう炎症が発生しやすくなり、その結果、口臭も強まることがよく見られます。

3. 歯茎が腫れて出る膿

歯石の蓄積により、歯茎は腫れや炎症を起こし、膿が溜まることがあります。この膿の中には多くの細菌が含まれており、その臭いは強烈です。膿が継続的に出続ける状態になると、口臭も一層ひどくなり、周囲の人に不快感を与えることが少なくありません。このような症状は歯槽膿漏といった進行した病気につながることが多く、迅速な治療が必要です。

3. 歯科医院での歯石除去:治療方法

歯石を効果的に取り除くためには専門的な技術が必要です。自宅での歯磨きだけでは、プラークが硬化してできた歯石を完全には除去することができません。ここでは、歯科医院での歯石除去の具体的な方法や、その費用について詳しく解説します。

歯科医院での主な治療方法

歯科医院で行われる歯石除去は、大きく分けて以下の3つの方法が一般的です。

〇スケーリング

スケーリングは、歯石除去の基本的な治療であり、次の器具を使って行います。

  • 超音波スケーラー: 超音波の振動を利用して、歯石を効果的に分解します。
  • ハンドスケーラー: 手動で操作することで、より繊細な調整が可能です。

〇ルートプレーニング

ルートプレーニングは、特に深い歯周ポケットに存在する歯石を取り除くための手法です。この手法では、歯の根元を滑らかに整えることで、新たな歯石が付着するのを防ぎます。通常、スケーリングの後に行われる処置です。

〇フラップ手術

フラップ手術は、重度の歯周病が進行している場合に用いられる外科的処置で、通常の方法では取り除けない深い歯周ポケットにある歯石を完全に除去します。この方法では、歯肉を切開し、視覚的に歯石を確認しながら取り除くことが可能です。

治療の流れ

歯科医院での歯石除去は、以下の手順を踏むことで行われます。

  1. 初診・検査: 歯科医師・歯科衛生士が口腔内の状態を診断します。
  2. スケーリング: 表面に付着した歯石を取り除きます。
  3. ルートプレーニング: 深いポケットにたまった歯石を除去します(必要に応じて)。
  4. フラップ手術: 状況によって外科的手術が行われます。

5. 自宅でできる!歯石予防のコツ

日常的なオーラルケアは、歯石の付着を防ぐために非常に重要です。自宅でできる歯石予防のための具体的なポイントを以下に紹介します。

歯磨きの徹底

毎日の歯磨きは基本中の基本ですが、ただ磨くだけでは不十分です。以下のポイントを意識して、効果的に磨くことが大切です。

  • ブラシの角度: 歯と歯茎の境目は、45度の角度でブラシを当てて磨くと、歯垢が落ちやすくなります。
  • 磨く場所の意識: 特に歯間や奥歯は磨き残しが多くなりがちです。鏡を見ながら、丁寧に1本ずつ磨くことが重要です。
  • 力の入れ具合: 強く磨きすぎると、歯肉を傷める恐れがあります。優しい力で、毛先を使ってやさしく磨きましょう。

デンタルフロスと歯間ブラシの活用

歯間の汚れをしっかりと取り除くためには、デンタルフロスや歯間ブラシが必要不可欠です。

  • デンタルフロス: 毎日のブラッシングにフロスを加えることで、歯の隙間に残る食べかすや歯垢を効果的に取り除けます。特に就寝前にはぜひ使いましょう。
  • 歯間ブラシ: 硬めのブラシを使うと、歯と歯の間の汚れをしっかりと落とせます。自分の歯のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。

適切な歯磨き粉の選択

歯磨き粉の選び方も、歯石予防には影響があります。フッ素入りや抗菌作用のある成分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。

  • フッ素入り: 歯を強化するフッ素が歯に吸収され、再石灰化を助けます。
  • 特別な成分: 乳酸菌やポリリン酸など、歯垢を落とす効果がある成分が含まれている製品も注目です。

食生活の見直し

食生活は口内環境に直接影響を与えます。以下のポイントを心がけて、歯石の形成を抑えましょう。

  • 糖分の摂取制限: 糖分が多い食事は、歯垢を増やす原因になります。間食を減らし、だらだら食べないことが大切です。
  • 水分摂取: 水分をしっかりと摂ることで、口内の洗浄効果が高まり、汚れを流しやすくなります。

定期的な歯科診察

自宅でのケアにプラスして、定期的に歯科医院で検診を受けることも忘れてはいけません。

  • 定期検診: 3~6か月ごとに歯科医院を訪れ、歯石の早期発見と除去を目指しましょう。
  • 歯科クリニックでのクリーニング: 自分では落としきれない歯石を専門家に任せることで、口腔内の健康を維持できます。

まとめ

歯石は見過ごされがちな口腔内の問題ですが、実は強烈な口臭の原因になることがあります。歯科医院で定期的な歯科検診とクリーニングを受けることで、歯石を早期に発見し、取り除くことができます。また、日々の歯磨きやフロスの使用など、自宅でのケアも欠かせません。口腔内の健康を維持し、快適な口臭を保つためには、オーラルケアに気を配り、自分の口腔状態を常に意識して改善していくことが大切です。

よくある質問

歯石と口臭にはどのような関係があるのですか?

歯石は細菌の蓄積を招き、それらが放出するガスや出血、膿の発生により、不快な口臭の主要な原因になります。歯石を取り除くことで、口腔内の環境が改善され、清々しい息を保つことができます。

歯石が口臭を引き起こすメカニズムは具体的にどのようなものですか?

歯石内部の細菌が有害なガスを発生させたり、歯石による歯茎の出血や膿の形成が、強烈な口臭の主な原因となっています。これらの反応が複合的に働いて、深刻な口臭を引き起こすのです。

この記事の編集担当は古橋淳一歯科医師です。